日本での鶏の飼育方法は、「平飼い(ひらがい)」と「ケージ飼い」の2種類に大きく分類されます。その他に「放し飼い」という方法もありましたが、近年の鳥インフルエンザの影響で養鶏事業者には認められなくなりました。

平飼いとケージ飼い

ケージ飼いとは、ケージ(Cage:英語で鳥かごを意味する言葉)に鶏を入れて育てる方法を言います。大規模な養鶏場のほとんどがこの方法で鶏を育てています。数万羽の鶏が何段にも積み重ねられたケージ(オリ)に1羽ずつ仕切って入れられ、まるで工場のように育てられています。餌が自動的にコンベアで運ばれたり、産み落とされた卵もコンベアで回収されたりと、人の手間を徹底的に省いた飼育方法で、卵の大量生産に適しています。

平飼いとは、鶏をケージ(鳥かご)にいれず、鶏舎内で自由に歩き回れるようにして飼う方法です。能登鳥の里では平飼いで鶏を育てています。
鶏が卵を産みやすいように産卵箱を用意し、卵が産みたくなった鶏は産卵箱に入って卵を産み落とします。産卵箱で産み落とさない鶏もいるので、ケージ飼いと比べると卵を集めるのに人の手間がかかります。
また、餌やり、清掃作業も人の手で行いますのでどうしても人件費がケージ飼育よりも割高になります。

平飼いはケージ飼いと比べて、「卵をたくさん効率的に生産する」には向いていないかもしれませんが、鶏が元気に歩き回り、のびのびと餌をつついている様子を見ると、人間の都合で卵を産ませるより、鶏の都合で気持ちよく卵を産んでくれているほうが、人間も、鶏も幸せになると感じています。